米IDCが,世界半導体市場に関する調査結果を米国時間12月2日に発表した。それによると,2004年の売上高は2100億ドルで,前年に比べ26%増える見込み。ただし,生産過剰の調整局面に入ったため,2005年に市場規模は2%縮小すると予測する。2006年は再び成長傾向に戻り,2003~2008年の年平均成長率は11.3%になる。

 IDCによると,半導体ベンダーは市場が活発になると見込み,2004年に設備投資を前年比48%拡大したという。しかし,月によって需要状況が大きくばらついた影響で,ベンダーは2004年後半に生産量を減らすことになった。「生産計画が実際の需要状況にマッチしていないため,調整局面に入った」(IDC半導体調査担当副社長のMario Morales)

 2005年前半の市場状況について,IDCは価格上昇,生産設備の稼働率低下,設備投資の大幅削減が起こるとみる。同年後半は,「パソコンと携帯電話機の買い替え需要が続き,家電品の需要が高まることから,残っていた在庫を一掃し,成長基調に戻る」(IDC)。

 「ベンダーが2006年以降の市場回復の波に乗るには,ビジネス・モデルを変更することで地域ごとに異なる需要に対応し,より短い期間で利益を上げられるようにすべきだ。特定の製品をターゲットにするのではなく,さまざまなシステム分野を視野に入れた対策への移行が続くだろう」(IDC)

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