米IBMは,DaimlerChrysler社の子会社で車両および輸送管理のインターネット・サービスを手がけるFleetBoard向けに,テレマティックス・ソフトウエア・プラットフォームを開発した。IBM社が現地時間10月18日に発表したもの。「モバイル・ネットワークを介したソフトウエアのダウンロードや管理を簡素化する」(両社)。

 家庭向けネット・サービスの共通仕様を策定する業界団体OSGi(Open Services Gateway Initiative)の「Service Platform」をベースする。「商用車への導入はこれが初めて」(両社)という。

 今回発表したプラットフォームにより,FleetBoard社の車載コンピュータ「DispoPilot」の機能を拡張および統合する。DispoPilotは,タッチスクリーンとスキャナが付いたハンドヘルド・コンピュータで,運転分析,位置測定,ナビゲーション,スケジューリング,注文転送,出荷モニタリングなどの機能を備える。DispoPilotは,Service Platformを利用することで,モバイル・ネットワーク(GSM/GPRS)を介して,新しいソフトウエアを適宜ダウンロードできるようになる。「旅程情報や目的地ルートなどの情報を画面に表示できる」(IBM社)

 「IBM社は世界各地でテレマティックス・システムを導入した実績があり,FleetBoard社が製品強化のために,IBM社およびOSGiの技術を選んだことをたいへんうれしく思う。この関係は,今後世界各地で普及するテレマティックスにおいて,オープンな標準をベースとしたソリューションの価値をさらに高める」(IBM社Global Telematics Solutions部門ディレクタのErich Nickel氏)

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