米IBMは,2004年第3四半期(7~9月期)決算を米国時間10月18日に発表した。継続事業ベースの売上高は,前年同期の215億ドルから9%増加して234億ドル,純利益は前年同期から1%増の18億ドルだった。希薄化後の1株当たり利益は1ドル6セントで,前年同期の1ドル2セントから4%増となった。

 同社は9月に,同社の年金プランに関連する従業員からの訴訟に対して一部和解に応じている。それに伴い,同期は3億2000万ドルを一時経費として計上した。これを除くと継続事業の利益は12%増の20億ドル,1株当りの利益は15%増の1ドル17セントとなっていた。

 同社会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏は,「通常ならば技術業界にとって困難な四半期において,当社は過去数年で最高レベルの売上高と利益の伸びを達成した」とコメントしている。「Business Performance Transformation Service事業部門の売上高は,前年同期から45%を超える増収となった。新興市場のブラジル,中国,インド,ロシアを合わせると30%強の成長を記録している。また,オンデマンドを導入する顧客も増加している」(同氏)

 継続事業ベースの売上高を地域別にみると,米大陸は,前年同期から8%増(為替の影響を除いた場合,7%増加)の101億ドルだった。欧州/中東/アフリカは73億ドルで同8%増,アジア太平洋地域は53億ドルで同11%増(同6%増)となった。すべての地域におけるOEM収入は7億2600万ドルで,同13%増加(同6%増)だった。

 事業別でみると,すべての5事業部門において安定した売上高の成長がみられた。中小企業部門において良好な伸びみられれ,通信部門,公共部門では特に売上高が増加した。

 メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は114億ドルで,前年同期比10%増加(為替の影響を除いた場合,5%増加)。メンテナンス事業を除いたGlobal Servicesの売上高は同11%増(同6%増)となる。なお,IBM社が当期に獲得したサービス契約はおよそ100億ドルに達する。

 継続事業によるハードウエア部門の売上高は75億ドルで,前年同期比12%増(為替の影響を除いた場合,9%増)だった。「eServer」やストレージ・システム製品を含むSystems Groupの売上高は41億ドルで同9%増。米Intel製プロセサを搭載した「eServer xSeries」,「同zSeries」が売上高の増加をけん引した。Personal Systems Groupの売上高は,モバイル・パソコンの販売が好調で33億ドル。前年同期と比べ17%増加した。

 ソフトウエア部門の売上高は前年同期比5%増(為替の影響を除いた場合,1%増)の36億ドル。「WebSphere」,「DB2」,「Rational」,「Tivoli」,「Lotus」といったミドルウエア製品による売上高は,前年同期比6%増の29億ドル。OSの売上高は同2%増の6億ドルだった。

 Global Financing部門の売上高は前年同期比11%減(為替の影響を除いた場合,14%減)の6億3800万ドル。Enterprise Investmentsとその他の部門は同4%増(同2%増)の2億7700万ドルだった。

 IBM社の当期における粗利率は36.9%で,前年同期の36.3%からやや上昇した。

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