米IBMと米Cisco Systemsは,企業向けセキュリティに関する世界規模の提携を拡大し,共同ソリューションを開発する。両社が米国時間10月14日に発表したもの。「ウイルスやワームなどの脅威によって発生するネットワークの損害を低減し,日常業務の支障を最小限におさえる」(両社)としている。

 共同ソリューションでは,Cisco社のセキュリティ支援プログラム「Network Admission Control(NAC)」の技術と,IBM社の「Tivoli」ソフトウエアを統合する。企業は,セキュリティ・ポリシー準拠の確認を自動的に実行して,問題のあるノート・パソコン,デスクトップ・パソコン,モバイル機器などのデバイスをネットワークから隔離し,修正することが可能。アクセス権の割り当ても自動管理できる。

 具体的には,IBM社の「Tivoli Security Compliance Manager」が,ネットワークに接続しているデバイスについて,OS用パッチのバージョン,アンチウイルス・ソフトの更新状況,パスワード設定などを調べる。そのデータをもとに,NACの重要な構成要素であるCisco社の「Secure Access Control Server(ACS)」が,ネットワークへのアクセスを許可するかどうか判断する。セキュリティ・ポリシーに準拠していないデバイスを発見した場合,ACSは該当デバイスを仮想LANなどのセキュリティ・ゾーンに隔離する。隔離したデバイスに対しては,IBM社の「Tivoli Provisioning Manager」の警告を通じて,ユーザーにパスワード強化やパッチ適用を促す。

 そのほか,ビジネス・プロセスを自動化するための最良事例を提供するIBM社のオンライン・リソース「Orchestration and Provisioning Automation Library(OPAL)」へのアクセスを顧客に提供する。IBM社製のコンピュータ「ThinkPad」「ThinkCentre」を使用しているユーザーは,復旧対策ツール「Rescue and Recovery Antidote Delivery Manager」を利用できる。

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