米Eastman Kodakと米IBMは,デジタル・カメラやカメラ付き携帯電話機向けのCMOSイメージ・センサー(CIS)の開発/製造に共同で取り組む。Kodak社が米国時間9月16日に明らかにしたもの。Kodak社はイメージ・センサー技術を,IBM社はCMOS処理技術を提供し,新たなCIS素子の商品化を目指す。提携期間は複数年とするが,契約金額など詳細な条件については明らかにしていない。

 画像センサーは光を電荷に変換する機能を備え,デジタル・カメラにとって目の役割を果たす必要不可欠な素子。両社が開発するCISには単純な構造と省電力という特徴があるので,拡大著しいデジタル・カメラとカメラ付き携帯電話機にとって理想的な素子という。

 CISは既に実用化されているが,「CCDに比べて画質が低く,消費者の期待に応えられていない」(Kodak社)。この提携を通じ,Kodak社は画質を大幅に向上させたCIS素子を設計し,IBM社が製造を担当する。

 Kodak社はCIS素子に関する自社技術をIBM社にライセンス供与する形で提供し,「光に対する感度を高め,ノイズを低減させたうえで,現在最も小さな画素を持つCCDと同レベルのCIS製造を依頼する」(Kodak社)。IBM社はバーモント州バーリントンにある半導体工場で,0.18μmプロセス・ルール/銅配線CMOS技術を適用して製造する。

◎関連記事
米Eastman Kodak,米National Semiconductorのイメージ・センサー事業部門の買収を完了
「2006年に160億ドル,2010年に200億ドルの売上を目指す」,米Eastman Kodakがデジタル事業の強化計画を発表
デジタル・カメラの人気が急騰中,その理由は「電子メールで写真を送りたい」
「2009年には携帯電話機の約70%がカメラを内蔵,大半が数メガピクセルに」,米調査
「スマートフォンとカメラ付き携帯電話,今後5年で出荷台数が急増の見込み」,米企業の調査
「消費者が次の携帯電話機で最も重視する機能は画像メッセージングとPush-to-Talk」,米調査
「2003年のカメラ付き携帯電話機出荷台数,前年比2倍強の5500万台に」,英企業の調査
「2004年6月の世界半導体市場,売上高は前年同月比40.3%増の178億ドル」,SIA調査

[発表資料へ]