米J.D. Power and Associatesは,米国家庭ユーザーのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)に対する満足度について調査した結果を,米国時間9月8日発表した。それによると,ISPのスパム対策に関しては前年より満足度が向上しているが,ハッキングやウイルス対策では満足度が低下しているという。
調査は,米国でダイヤルアップ接続,あるいは高速接続を行う9500世帯を対象に実施したもの。ISPを,「顧客サービス」「性能と信頼性」「イメージ」「サービスとプロモーション内容」「電子メール・サービス」「サービス料金」「請求システム」の7項目に関して評価した。
J.D. Power社Telecommunications Research担当上級ディレクタのSteve Kirkeby氏は,「スパムの数自体は引き続き増加しているが,ISPはスパム対策で成果を上げ始めている。一方,ウイルスやハッキングに関しては,もっと積極的な対策を講じて欲しいと考えるユーザーが多かった」と述べ,次のように説明した。「ユーザーは,銀行振込,支払い,スケジュール管理や通信など,インターネットへの依存度が増すにつれ,プライバシとセキュリティの確保を急務と感じているようだ」(同氏)
2004年のインターネット普及率は前年比2ポイント増の66%。2003年は前年と比べ7ポイント増加していた。インターネットの普及速度はペースを落としているが,高速接続は急成長を続けている。インターネット・ユーザーのうち,高速接続を導入しているユーザーの割合は39%で,2003年の26%から大幅に増加した。
その他の主な調査結果は次の通り。
・1週間当たりのインターネット利用時間をみると,広帯域ユーザーは平均18時間で,前年の同17.6時間から増加。一方,ダイヤルアップ・ユーザーは平均15.6時間で,前年の同16.1時間から減少した
・月額サービス料金は,広帯域ユーザーが平均44.12ドルで,前年の同42.15ドルからわずかに上昇。ダイヤルアップ・ユーザーは平均19.14ドルで,前年の同19.33ドルから減少した
・顧客満足度をみると,ダイヤルアップ接続の上位3社は米EarthLink,米Juno/NetZero,米AT&T傘下のAT&T WorldNet。高速接続の上位3社は,EarthLink社,米Verizon,米Road Runnerだった
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