欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,米Microsoftと米Time Warnerがデジタル権利管理(DRM)企業ContentGuardを共同買収するという提案に対して本格的な調査を実施する。同委員会が現地時間8月25日に明らかにした。

 予備調査を行なった結果,ECは,Microsoft社とTime Warner社のContentGuardへの共同出資がDRMソリューション市場におけるMicrosoft社の独占を招く,または独占状態を強化する可能性があると判断した。同委員会は,その他の市場におけるMicrosoft社の垂直統合に関連する競争阻害についても調査を行なう。

 ContentGuad社は,DRMや分散認証に関する技術開発を手がけており,特許技術をライセンス提供している。同社が開発した技術には,デジタル・コンテンツの権限とポリシーを記述する言語,XrML(eXtensible rights Markup Language)などがある。同社の特許技術は,もともと米XeroxのPalo Alto Research Center(PARC)が開発したもの。米Microsoft社は,同年4月にTime Warnerと共同でXerox社から同社の実質的所有権を取得すると発表していた。今回決定した第2段階目の調査は,最終的な結論を下すまでに最長4カ月かかるという。

 EUは同年3月に,Microsoft社が欧州市場におけるパソコンOSの独占的立場を悪用し,サーバーOSやメディア・プレーヤの販売に関して欧州の独占禁止法に違反したと判断を下している。同社に対する制裁措置として,4億9720万ユーロ(約6億300万ドル)の罰金支払いなどを課している。Microsoft社は,この決定を不服として6月に提訴しており,EUは制裁措置の発令を一時差止めしている。

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