米IBMは米国時間7月20日に,学生のITスキル養成のための取り組み「IBM Academic Initiative」を発表した。「学生が,将来IT分野で能力を発揮し,さまざまな変化に対応するために必要とされる,オープンな標準規格に関する知識を身に付けられるよう支援する」(IBM社)

 IBM Academic Initiativeでは,Java,Linux,Eclipseなどのオープンな技術や,IBM社製ソフトウエアおよびサーバーに関するトレーニングを提供し,オープンな標準規格の幅広い普及を目指す。大規模な大学研究所やコミュニティ・カレッジ,職業学校などの高等教育機関を対象にする。「学生は卒業する際には,J2EEやLinuxを熟知し,IBM社やその顧客およびパートナ企業が求めるスキルを持つようになる」(IBM社)

 IBM Academic Initiativeの主な特徴は以下の通り。

・特待プログラム「IBM Scholars Program」で,ソフトウエア,ハードウエア,トレーニング,教材などへのアクセスを無償で提供する。すでに8000人以上の教員が「Scholars Portal」に登録済みだという。Scholars Portalでは,40種類を超えるIBM社製ソフトウエアの技術を,学校のカリキュラムに取り入れることが可能。「POWER5」サーバーをはじめ,「Power Architecture」を採用したブレード・サーバーなどのハードウエアを特別価格で購入できる。

・技術チームが,カリキュラムの評価や教員の技術トレーニングおよびスキルの引き継ぎを行う。IBM社が開発した50種類以上の教材を用い,主要なソフトウエアやハードウエア技術について学ぶことができる。また,ニューズレター,コミュニティ・フォーラム,学習ロードマップ,白書,パンフレット,ワークショップ,技術イベントなどを通じてさまざまな情報を取得できる。

 IBM社によると,ノースフェース大学,テキサス州立大学,インディアナ州立大学,ヒューストン大学Clear Lake校,プエルトリコ大学Mayaguez校,テキサス大学Austin校,ウイスコンシン大学,ウースター工科大学などが,IBM Academic Initiativeを試験導入しているという。

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