米Microsoft，学習者向け開発ツールや「Visual Studio 2005」ベータ1版などを発表

早坂利之

2004.06.30

　米Microsoftが，オランダのアムステルダムで開幕した技術者向けセミナーTech・Ed Europeにて，各種新製品やベータ版ソフトウエアの提供，新サービス，開発者支援プログラムを現地時間6月29日に発表した。プログラミング学習者／愛好者向けのソフトウエア開発ツール「Microsoft Express」製品系列，「Visual Studio 2005」のベータ1版，位置情報サービス・サーバー「MapPoint Location Server」向けのリアルタイム・サービス，欧州の開発者向けコミュニティ「Codezone Network」などの紹介を行った。

　Microsoft Express製品系列は，プログラミング学習者／愛好者や学生向けの開発ツールである各種Visual Studio Express製品と，従来の「Microsoft SQL Server Desktop Engine（MSDE）」を置き換える再配布可能なデータベース・エンジン「Microsoft SQL Server Express Edition」を用意する。学習／評価ツールを内蔵し，スタータ・キット，ソース・コード，チュートリアルなどが付属しており，サンプル・アプリケーションを自由に変更してプログラミングを学習できる。

　各製品の概要は以下の通り。同週末よりダウンロード提供する予定。

・SQL Server Express Edition：
　「SQL Server 2005」の無料版で，簡単なデータ駆動型アプリケーション構築に利用できる

・「Visual Web Developer 2005 Express Edition」：
　動的なWebサイトとWebサービスを構築するためのツール

・「Visual Basic 2005 Express Edition」：
　プログラミング初心者がWindowsアプリケーション作成を学習するためのツール

・「Visual C# 2005 Express Edition」，「Visual C++ 2005 Express Edition 」，「Visual J# 2005 Express Edition」：
　学生／プログラミング愛好家向けの開発ツール

　Microsoft社は，アプリケーション開発環境Visual Studio 2005のベータ1版の提供も開始する。同版には，企業向け開発ツール「Visual Studio 2005 Team System」のコンポーネントである「Visual Studio Team Architect Edition」が付属する。

　同社は，同版の評価作業を支援するため，ユーザーからの提案受付やバグ・データベース提供を行うコミュニティ「MSDN Product Feedback Center」を開設した。ユーザーはバグ情報を入手できるほか，バグ修正の通知を電子メールで受け取ることや，同社担当者とやり取りすることができる。

　さらに同社は，欧州のソフトウエア開発者の活動支援に向け，Codezone Networkというコミュニティを作る。開発者コミュニティやユーザー・グループからの技術的知識を集めた複数のWebサイトで構成し，各国の言語で情報を提供していく。既にオーストリア，スイス，ドイツ，英国向けのCodezoneサイトがあり，ほかの国々でも2004年中に開設する。