米Microsoftは米国時間6月28日に,「Windows CE 5.0」(開発コード名は「Macallan」)のソース・コードについて広範なライセンス提供を行うことを明らかにした。すべてのライセンシに対し,ライセンスを受けたソース・コードに変更を加えて商用製品を作成することを許可する。ライセンシは変更したソース・コードの所有権を維持でき,Microsoft社,パートナ企業,競合社と改変部分を共有する義務を負わない。

 Microsoft社Mobile and Embedded Devices部門コーポレート・バイス・プレジデントのYa-Qin Zhang氏は,新たなライセンシングについて,「デバイス・メーカーがいっそう柔軟性のある技術革新に取り組み,Windows CEが活用されるであろう組み込み装置の将来性を広げることが狙い」と説明した。

 Microsoft社は,「Windows CE Shared Source Program」のもと,250万行以上のWindows CE 5.0のソース・コードを開示する。Windows CE 5.0は,ネットワーク性能の強化によりデータ処理速度が向上したほか,60種類以上のドライバ,デバイス性能を遠隔管理する機能,モバイル版マルチメディア用API群「Direct3D Mobile」などを備える。2004年7月9日に製造段階(RTM:Release To Manufacturing)に入る予定。

 Windows CE Shared Source Programでは,OSカーネル,GUI,ファイル・システム,デバイス・ドライバ,Webサーバーに関する技術を含む,Windows CEのソース・コードへのアクセスを提供する。なお,ソース・コードに変更を加えて作成した商用製品を出荷する際には,ランタイム・ライセンスを取得する必要がある。

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