米Microsoftは米国時間5月24日に,「Visual Studio 2005 Team System」を初めとする新たな企業向け開発ツールについて詳細を発表した。サンディエゴで開催中の技術者向けカンファレンス「TechEd」で,同社CEOのSteve Ballmer氏が明らかにしたもの。「企業の機敏性を促進し,ITライフサイクルを通じたソフトウエアの品質向上を支援する」(同氏)

 Visual Studio 2005 Team Systemは「Visual Studio」ファミリの新製品で,サービス指向アプリケーション構築用ライフサイクル・ツール。実務向けサービス指向アプリケーションの提供にともなう手間を削減する。設計,開発,テストの統合ツールを備えており,アーキテクト,開発者,IT担当者のITライフサイクルを通じた協力体制の向上を可能にする。

 Microsoft社によると,米Borland Software,米Compuware,米EDS,スウェーデンのTelelogic,米Unisysが,Visual Studio 2005 Team Systemのサポートを表明しているという。

そのほか,同社が発表した主な内容は以下の通り。

・「Web Services Enhancements(WSE)2.0」の即時提供開始:「Visual Studio .NET」と「.NET Framework」向けのセキュリティ・アドオン。セキュリティを強化したWebサービスの作成と利用を簡素化する。WS-Policy,WS-Security Policy,WS-Trust,WS-SecureConversationといった最新のWebサービス用プロトコル仕様をサポートする。

・「BizTalk Server Adapter for Web Services Enhancements 2.0」の技術プレビュー版リリース:セキュリティを強化したWebサービスの連携を向上する。

・「Office Information Bridge Framework」のテクニカル・ベータ版リリース:メタデータ駆動型スマート・クライアント・ソフトウエア作成のためのツールおよびコンポーネントのセット。「Office System」ユーザーが,個別の企業システムに格納されているデータをスムーズにやりとりできる環境を目指す。

  「新たな商機を利用し,効果的にITコストを管理するためには,アプリケーション開発から運用と管理を含むITライフ・サイクル全体に目を向けることが重要だ。また,強力なツール,エコシステムに関するパートナ関係,セキュリティとサポートが揃ったソフトウエア・プラットフォームも適切に選ぶ必要がある。当社が提供しているツールと技術により,顧客はさまざまな環境と分野にわたって成長を遂げ,変化に対応することができる」(Ballmer氏)

 また同社は,企業向けファイアウオール,VPN,Webキャッシュ・ソリューションの次期版「Internet Security and Acceleration Server(ISA Server)2004」のサポートに関して,米Hewlett-Packard(HP)などのハードウエア・メーカーと提携を結んだことを明らかにした。

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