米国の大手金融機関で構成される非営利団体のBITSと米Microsoftは,米国の金融サービス・インフラのセキュリティ改善に向けて提携する。両団体が米国時間6月21日に発表した。

 BITSと会員は,過去6ヶ月に渡りMicrosoft社と協調してきた。この協調は,金融サービス部門を始めとするソフトウエア・セキュリティの改善を狙ったもの。BITSの目的のひとつには,パッチ管理プロセスの安全性と効率の改善とこれに関連する経費の縮小が含まれている。

 今回の提携により,Microsoft社は金融機関とその他の顧客向けにWindows NT 4.0のサポート期間を延長し,新しいバージョンのWindowsに移行するまでの間,セキュリティ・アップデートを提供することで合意した。また,金融機関がセキュリティ・アップデートをインストールしたりシステムに変更を加える際に支援を行なう。

 BITSは,米国の半分以上の金融資産を保持する金融機関のコンソーシアムとして,金融サービス部門のソフトウエア・セキュリティの改善に向けてセキュリティ・ベンダーとの協調に注力している。Microsoft社とBITSは,同業界特有の多くの条件に対応できる計画を共同で開発した。Microsoft社セキュリティとサポート・チームの主要リーダーがBITS会員と計画の実施を進める。

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