米Microsoftと米Volante Technologiesは,金融/証券業界におけるStraight Through Processing(STP)導入を支援する目的で戦略的提携を結んだ。両社が米国時間2月3日に明らかにしたもの。これにより両社は,Volante社のSTP用ソリューションを「Microsoft .NET Platform」に対応させる。その上でMicrosoft社Financial ServicesのVertical Solutions部門とVolante社が,STP導入に向けたメッセージ管理技術のマーケティング/販売を共同で展開する。

 STPとは証券業界の用語。証券取引において,約定から決済までの取引に関わる処理を人手を介さず済ませることを指す。

 Volante社のSTP用製品スイートは,金融市場におけるデータ統合を推進することで,取引の処理効率を向上できるという。まず開発者やアナリストは「Volante Designer」を使い,あらかじめ構築されているフォーマット部品から“カートリッジ”と呼ばれるメッセージ・モデルを作る。これらのコンポーネントは,金融業界で使われているプロトコルに適合した変換/文法/検証ルールを定義している。処理に必要なコードは対象とする動作環境に合わせてカートリッジが自動生成するので,「従来の統合方法に比べ,作業期間を60%~90%短縮できる」(両社)。なお生成したコードは,Webサービスを介して容易に拡張可能という。

 Volante社の創業者で会長を務めるVijay Oddiraju氏は,「当社の市場調査によると,金融サービス市場では,Windowsおよび.NET対応サーバーの増加ペースが全プラットフォームのなかで一番速い」と述べる。「そうした理由で当社は,.NET対応だけでなく,SQL Server 2000やWindows Server 2003などのMicroosft社製サーバー固有の機能への対応も容易に決断できた」(同氏)

 Volante Designerは同日より利用可能とする。

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