米VoIPは,IP電話から「911番」(米国の緊急通報電話番号)への通報を可能とする技術について,米国特許商標局(USPTO)に特許を申請した。VoIP社が米国時間5月27日に明らかにしたもの。911番などに対する発信を従来の加入者電話(PSTN)に振り替えることで,VoIP対応機器から警察,消防,救急への通話を実現する。

 申請中の特許のタイトルは,「Method and System for Back-up of Voice Over IP Emergency Calls」(VoIPによる非常通報時のバックアップ手段およびシステム)。ユーザーがダイヤルした番号を識別し,必要に応じてPSTNの緊急電話システムに転送するもの。

 同技術は,停電時も911番への通報を可能とする対策を含んでいる。電力が供給されない場合には自動的にPSTN回線に切り替えることで,確実な通話を実現する。「同クラスのほかのVoIP機器は,停電するとまったく電話できなくなってしまう」(同社)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,VoIP社CEOのSteven Ivester氏は,18カ月以内に特許が成立する見通しを明らかにしたという。

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