米Microsoftと米Oracleは米国時間5月20日,.NET開発者を支援するためのプログラム「Microsoft Visual Studio Industry Partner(VSIP)」にOracle社が加入したことを発表した。

 VSIPでは,Microsoft社の統合開発環境(IDE)「Visual Studio .NET」で使用可能なプログラミング言語,コンポーネント・ソフトウエア,エンタプライズ・ツールなどを提供する。会員は「VSIP Software Development Kit(SDK)」を無料で入手し,新しいプロジェクト・システム,インタフェース・デザイン,コード用エディタ,高機能なデバッガなどを利用できる。会員種別は「Affiliate」「Alliance」「Premier」の3種類。

 Oracle社は,PremierパートナとしてVSIPをサポートし,自社の「Oracle Database」とVisual Studio .NET 2003のより緊密な統合に取り組む。「開発者の生産効率を向上し,WindowsプラットフォームでのOracle Database対応アプリケーションの導入を促進する」(両社)としている。

 Oracle社は,Visual Studio .NET 2003対応の統合機能を,2004年後半に同社のOracle Technology Networkサイトで配布する予定。米メディアの報道CNET News.comによると,開発者は同機能を利用することで,Oracle Databaseに格納されているデータへのアクセスを簡単に記述し,データベース・アプリケーションのデバッグをVisual Studioから実行できる。Oracle社サーバー技術部門バイス・プレジデントのPrem Kumar氏によれば,「年内に無償配布する統合機能はテスト版で,2005年第1四半期に最終版をリリースする計画」だという。

 Oracle社Database Server Technologies部門上級バイス・プレジデントのAndrew J. Mendelsohn氏は,「(Oracle Databaseと)Visual Studioとの連携を高めることにより,Windows開発者はOracle Databaseの能力をより簡単に活用できるようになる」と述べた。

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