米Microsoftは,University of Virginia(バージニア大学),米ThomsonのThomson Learningと共同でデジタル教材/学習ツールの開発と提供に関して協調する。同社が米国時間5月19日に明らかにした。提携により,バージニア大学においてTablet PCを使った実験プロジェクトが実施される。

 同プロジェクトは,学生の学習方法の改善,教授プロセスに技術を組み込むことによる教職員の生産性の向上,デジタル学習教材の開発プロセスに関する理解を深めることの3点を目標としている。

 プロジェクトでは,Tablet PCを通じてリッチ・コンテンツとラーニング・アプリケーションを利用する。同年の秋から2学期間に渡り,同大学の学部と大学院において実施される。生物科学,心理学,統計学のコースにおいて,それぞれの学期に400人を超える学生が同プロジェクトに関わることになる。

 学生は,Windows XP Tablet PC Editionを搭載するTablet PCを通じてThomson社のデジタル・コンテンツのライブラリとラーニング・アプリケーションを利用する。デジタル教材は,Thomson Learningが同大学とMicrosoft社との話し合いを通じて開発を行なう。

 同大学は,すべての教室において有線と無線のインターネット接続に対応しているため教授と学生がリアルタイムで通信することができる。学生は,Tablet PCにより教材に統合されたツールやリソースも利用できるようになるため,複雑な題目に対してより効率的に対応できるようになる。

 たとえば,教授が講義や説明を行なっている間に,学生はMicrosoft社のメモ取りソフト「OneNote」を使ってページ上のどこにでも自由なフォーマットでデジタル・メモを記すことができる。3次元の化学構造や統計モデルなどにアクセスしてメモに埋め込むこともできる。また,教室でオンラインの演習問題やシミュレーションにアクセスすることもできるようになるという。

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