米Microsoftは,タブレットPC向けOSの最新版「Windows XP Tablet PC Edition 2004」を米国時間11月17日に発表した。新版では,Windows XPのペン入力サポートを強化している。先ごろ発表した手書き文字の入力に対応するWebページを作成する「Tablet PC SDK」のツールに加え,新版は,ソフトウエア開発者にタブレットPCプラットフォームで動作するアプリケーションを開発するための多くの機能を提供する。

 同社によれば,発売から1年たったWindows XP Tablet PC EditionをサポートするOEM,ISVの数は引き続き増加しているという。ラスベガスで開催中のCOMDEXの基調講演で,同製品を発表した同社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏は,PC業界のすべての部門が,タブレットPCのサポートを増強している,と述べている。

 「世界で40社がタブレットPCの設計と製造を行なっており,120社が『Windows XP Tablet PC Edition』のペン入力機能を使ったソフトの開発を行なっている。医療,金融,教育を含めたいくつかの垂直型市場でタブレットPCの早期購入と導入が行なわれている」(同氏)

 新版では,手書き入力の認識を強化している。WindowsとWindowsアプリケーションにおいて,ペンが主流の入力装置となり得る。新しい「Tablet PC Input Panel(TIP)」により,単語,大文字/小文字の認識が改善された。また,開発者とユーザーは,電子メール・メッセージ,アドレス,URLなどのテキスト・フィールドで特定の手書き文字がどのように認識されるべきかを定めた規則を追加することもできる。

 また,Microsoft Office 2003とOffice OneNote 2003に統合することにより,ユーザーは,Word,Excel,PowerPointで注釈を加えられるようになる。Outlookで手書きの電子メールも送れるようになる。電子ノート・ソフトのOneNoteを使えば,1つのアプリケーションでメモ,テキスト,Webコンテンツを整理して統合できる。

 Windows XP Tablet PC Edition 2004は,2004年中旬に出荷が予定されている。単体では発売されず,新しいタブレットPCハードウエアにプリインストールして提供される。現ユーザーには,無償アップグレードが用意される。

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