米QUALCOMMは,第3世代(3G)CDMA携帯電話機向けチップセット「Mobile Station Modem(MSM)」の新モデル「MSM7200」,「同7500」,「同7600」を米国時間5月13日に発表した。同7xxxシリーズのオールインワン型のチップセットを搭載する携帯電話機は,600万画素の写真撮影やVGA 30フレーム/秒の動画の録画/再生に対応できるようになる。

 同シリーズのチップを搭載する携帯デバイスは,高画質な写真や動画に加え,高音質のステレオ・オーディオの録音/再生,400万triangles/秒の3次元グラフィックの高速化が可能になる。また,位置情報サービス「gpsOne」にも対応する。

 今回発表されたチップセットは,モデム・プロセサ,アプリケーション・プロセサ,関連DSPを単一のチップにまとめている。伝送速度は,最高で1Gビット/秒。同社のアプリケーション・スイート「Launchpad」に対応している。これにより,高品質なステレオ・オーディオ,高解像度のカメラ,ビデオ・レコーダ/プレイヤ,ゲームの3次元グラフィックを携帯電話機に組み込める。自動制御の省エネ・モードにより消費電力が最適化される。また,802.11,Bluetooth,MDDI,TVインタフェース,USBに対応し,コンピュータ,プリンタ,ビデオ・プロジェクタ,その他の周辺機器との接続が可能になる。

 その他にも,mコマース・サービス向けのモデム・セキュリティとデジタル著作権管理,パソコンとの無線同期化をサポートする。同チップセット・ソリューションは,BREW(Binary Runtime Environment for Wireless)プラットフォームとの統合サポートに加え,主要サードパーティ製のオペレーティング・システムにも対応する。

 MSM7200は,WCDMA (UMTS)/HSDPAとGSM/GPRS/EDGEに対応し,2005年第4四半期に出荷が予定されている。MSM7500は,CDMA2000 1xEV-DO Rev.とGSM/GPRSに対応するとともに,CDMA2000標準とも互換性を持つ。2005年第1四半期にサンプル出荷が予定される。MSM7600は,7500にCDMA2000 1xEV-DV Rev. D,WCDMA (UMTS)/HSDPA,EDGEサポートを追加している。2006年に出荷が予定されている。

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