米Sun Microsystemsが,Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)1.4アプリケーション用の検証ツール「J2EE 1.4 Application Verification Kit(AVK)」を米国時間4月26日に発表した。同ツールを使用すると,J2EEアプリケーションの移植性やAPI使用の妥当性を調べることができ,異なるベンダーのJ2EEアプリケーション・サーバーに移行する際の移植性を保証できるという。同ツールは,Sun社のWebサイトで無償ダウンロード可能。

 J2EE仕様は,J2EE互換アプリケーション・サーバーの標準的な構成要素を規定することで,移植性のある基盤を提供している。しかし,ベンダーは付加価値として他社製品と差別化できる特別な機能を設けることが多いので,ベンダー間で整合性が取れないことがよくあるという。こうした標準的でないベンダー依存のJ2EE APIをアプリケーションで使用すると,互換性が損なわれてしまう。

 J2EE 1.4 AVKは,以下の機能を使ってソリューションを試験し,こうした非互換問題の回避を支援する。

・Webサービス試験機能:
 Webサービス・エンドポイント静的確認と,Enterprise JavaBeans(EJB)/サーブレット・ベースのWebサービス向け動的確認

・ソース・コード・スキャン機能:
 互換性のないベンダー固有APIの使用検出

・開発サイクルへのANTタスク導入:
 Apache Software Foundationが提供するオープンソース・プログラムATNタスクを開発サイクルで利用

・アサーションのマッピング機能:
 仕様に対して検証済みのアサーションをマッピング

・コンポーネント・ライブラリ:
 コンポーネント・ライブラリを提供

 「J2EE 1.4 AVKを使うと,アプリケーション・サーバー間のアプリケーション移行作業を省力化し,コードの再利用性を向上できる。さらに,複数のアプリケーション・サーバーを使ったインストール/テスト作業を排除し,複数ベンダー環境を効率的に実現する」(Sun社Java Webサービス&ツール部門マーケティング担当副社長のJoe Keller氏)

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