ベルギーBiontrix傘下のLinSpotは現地時間3月4日,個人が商用無線LANアクセス・サービスを展開するためのソフトウエア「LinSpot」を発表した。無線LANを構築している個人ユーザーは,自身のネットワーク領域内で,第三者に無線インターネット接続を有料提供できる。
LinSpotソフトウエアは自動設定機能,暗号化機能,自動アップデート機能を備える。米Apple Computerの無線LAN製品「AirPort」や米LinkSysのWi-Fiルーターなどと組み合わせることが可能。また,米PayPalの決済サービスに対応し,主要なクレジット・カードを処理できる。
LinSpotソフトウエアを使用した無線LANアクセス・サービスの接続料は,1時間当たり2ドル50セント。月額料金の場合は25ドル。LinSpot社が請求決済サービスを提供する。LinSpot社はインターネット接続収入の15%を受け取る。
LinSpot社CEOのJasper Nuyens氏は「新たな装置を導入する代わりに,既存のWi-Fiインフラを利用して最大規模の無線LANアクセス・ネットワークを作り出すことを考えている」という。「初期費用も毎月の経費も必要ない。小企業の経営者,レストラン,ホテルが関心を向けないはずがない」(同氏)
LinSpotソフトウエアは38カ国で利用可能。同社Webサイトより,無償でダウンロードできる。MacOS Xにのみ対応するが,WindowsおよびLinux対応版も追ってリリースする予定。
◎関連記事
■「2004年の世界でのホットスポット利用者,前年比約3倍の3000万人に」,米Gartner調査
■「世界WiFi市場,北米より欧州が急速に成長」,米企業の調査
■米国無線LANの普及は小企業がけん引,「導入済み」と「1年以内に導入予定」の小企業は83%
■「ますます重要になる無線LAN,90%以上の企業が導入や強化を検討」,と米調査
■「家庭におけるWi-Fi製品の普及,職場を上回る」,米IDC
■「北米中規模企業の60%が無線LANを2003年末までに導入する」,米Gartnerの調査
■「2003年のホットスポット,2001年の約60倍の7万1000カ所へ」,米Gartner
[発表資料へ]