米Walt Disneyは,同社役員会が米Comcastによる買収提案を拒否したことを,米国時間2月16日に発表した。

 Comcast社は,総額660億ドルでDisney社に買収を申し入れたことを,2月11日に発表。Disney社の株式1株に付きComcast社の普通株0.78株を支払い,Disney社の負債119億ドルを引き受けるとの提案だった。

 Disney社役員会は,「Comcast社の株式0.78株の価値は,当社の株価より3.60ドル安い」と指摘し,「我々は今後も,株主に価値をもたらすことに注力する。この目的に沿うのであれば,あらゆる提案を慎重に検討する。Disney社の本質的な価値や収益見通しを反映していない買収提案を受け入れることによって,Disney社株主の利益が生まれることはない」と述べた。「我々は,当社の現在の構造と戦略が,株主の価値を最大限に高めるとみている」(Disney社役員会)

 なおComcast社は同日発表した声明で,同社の行った買収提案が「Disney社の長期にわたる展望と業績を踏まえた上で,その価値に十分応えるものであり,(買収提案の影響を受けていない)過去3年間にわたる株価を大幅に上回る金額だ」と説明した。

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[発表資料(Disney社)]
[発表資料(Comcast社)]