米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2月9日に,ハイエンドUNIXサーバー「HP 9000」の強化版や,エントリ・サーバー「Integrity」の新モデルなどを発表した。HP 9000は,PA-RISCベースの「PA-8800」プロセサを採用する。Integrityの新モデルは,米Intel製「低電圧Itanium 2」プロセサを搭載する。

 HP 9000が搭載するPA-8800は,1チップに2CPUコアを集積したデュアル・コア・モジュール。既存のHP 9000を使用している顧客企業は,「PA-8700」プロセサをPA-8800に置き換えてアップグレードできる。また,PA-8800搭載システムを,PA-RISCベースの次期プロセサ「PA-8900」を搭載したシステムに移行することも可能。

 HP 9000はIntegrityと同様のコンポーネントを多数使用しているため,「Itaniumベースのプラットフォームへの拡張がスムーズに行える」(HP社)という。共通するコンポーネントには,セル・ボード,キャビネット,メモリー,「HP zx1」および「sx1000」チップセットなどが含まれる。

 HP 9000のOSは「HP-UX 11iv1」で,PA-8700とPA-8800をサポートする。HP社によると,PA-8800搭載システムの性能は,PA-8700搭載システムを最大50%上回るという。

 HP 9000は128ウエイの「Superdome」(米国希望小売価格は30万9000ドルから)をはじめ,32ウエイの「HP rp8420-32」(同9万3000ドルから),16ウエイの「HP rp7420-16」(同4万ドルから),8ウエイの「HP rp4440-8」(同2万1000ドルから),4ウエイの「HP rp3440-4」(同7000ドルから),2ウエイの「HP rp3410-2」(同4000ドルから)を用意する。Superdomeは3月にリリースする。その他のモデルはすでに利用可能。

 Integrityの新モデルは「HP rx1600」と「HP rx2600」。HP rx1600は3月に出荷を開始する。米国希望小売価格は2800ドルから。電気通信,商用データベース,Webサービス,高性能技術コンピューティングといった分野のクラスタ環境に向ける。LinuxとHP-UXに対応する。高さが1U(約4.5cm)で,2メートルのラックに最大40台収めることができる。

 HP rx2600は,すでに出荷可能。米国希望小売価格は5700ドルから。「通常のエントリ・サーバーより多いメモリー容量と,高速なI/O性能を求める企業に向ける」(HP社)。最大512ノード構成に対応するクラスタ・システム「HP XC6000 Linux」の一部としても提供する。

 またHP社は,Itaniumに対応した新たな無停止サーバー・アーキテクチャ「NonStop Advanced Architecture」について明らかにした。同アーキテクチャは,「HP OpenView」ソフトウエアで管理する。同アーキテクチャをベースにしたItanium搭載サーバーは,2005年初頭に市場投入する予定。クラスタ環境内で最大1024プロセサ,WAN環境内で最大4080プロセサをサポートする。

 さらにHP社は,Integrity用OS「Open VMS 8.1」のテスト版リリースや,ストレージ製品「StorageWorks Enterprise Virtual Array」ファミリを従量課金制プログラムの対象に含めることなどを同日発表した。

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