米IDCは,2003年の世界サーバー市場に関する調査予測を米国時間9月15日,発表した。それによると,2003年のサーバー市場の売上高は前年からほぼ横ばいの490億ドルとなる見込み。日本,西欧,中南米における企業IT市場の不振が,世界全体にわたる回復の足を引っ張っている。

 地域別にみた場合,米国におけるサーバー売上高は前年比3%増の182億ドルに回復し,2000年以降初めて増加に転じる見込みだ。日本を除くアジア太平洋地域,中欧,東欧などの新興市場においても,プラス成長が予測されている。

 米国市場でけん引役となっているのは,LinuxあるいはWindowsベースのx86サーバー(米Intelまたは米AMD製プロセサ搭載)。2003年では,Linuxサーバーの売上高は前年比34%増の31億ドル,Windowsサーバーは同8%増の150億ドルに達する見通し。その一方で,UNIXサーバーは減少の一途をたどっており,2000~2002年に120億ドル以上減少した。

 最も成長が見込まれる分野はブレード・サーバーで,2003年第2四半期の出荷台数4万1000台(全サーバー出荷台数の3%)が,2007年には220万台(同27%)以上に増加するという。

 「サーバー市場が成熟しつつあり,需要は新型の製品に移行している。顧客は,LinuxあるいはWindowsプラットフォーム,x86プロセサ搭載システム,ラック・マウント型やブレード・サーバーのモジュラ構造などに投資することで,Web対応が進む市場で競争力を確保しようとしている」(IDC,サーバー・リサーチ部門ディレクタのMark Melenovsky氏)

 また,IDCは長期的な見通しについても明らかにした。世界サーバー市場における今後5年間の年平均成長率は2.8%で,2007年の市場規模は566億ドルに達するという。「より小型のフォーム・ファクタの登場とインフラ設備の増強などにより,サーバー出荷台数は年平均12.7%で増加し,2007年の新規販売台数は810万台となる模様」(IDC)

◎関連記事
2003年Q2の世界サーバー市場,前年同期比0.2%増でこれまでの減少傾向に歯止め
「2003年Q1世界のサーバーでIBMが首位に」,米IBMが米Gartnerの調査結果を引用
「2003年Q1の世界サーバー市場,エントリ・サーバーの人気が依然高い」,米IDCの調査
「2002年Q4サーバー市場は前期比15.2%成長,エントリ・サーバーがけん引」,米IDCの調査
「2002年の世界サーバー市場は前年比4.2%の成長,首位はシェア30%の米HP」―米IDCの調査
「2002年Q3の世界サーバー市場の売上高は106億ドル,前年同期比5.6%減だが復調の兆し」と,米IDC
「2002年Q3の世界サーバー市場で我が社が首位を獲得」,米IBMが調査結果を引用
「2003年におけるアジア太平洋地域のサーバー市場は,出荷台数と売上高が前年を上回る」,米データクエスト

[発表資料へ]