米GartnerのDataquestがシンガポールで現地時間12月18日に,アジア太平洋地域のサーバー市場に関する調査結果を発表した。それによると,2003年はサーバー出荷台数が前年比9.9%増の66万6500台,売上高が前年比3.5%増の56億ドルに達する見通しだ。いずれも2002年の成長率をやや上回る。

 Dataquest社Asia/Pacific Computing Platformsグループ担当主任アナリストのMatthew Boon氏は,「アジア太平洋地域の売上高が,全世界のサーバー市場で占める割合は小さい。しかし,世界適任市場の足踏み状態が続いていることから,ITベンダーやサービス・プロバイダはアジア太平洋地域に力を入れ始めている」と説明した。

■アジア太平洋地域のサーバー市場予測

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                                   2001      2002      2003     2004
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出荷台数                          576.1     606.4     666.5    722.0
 (単位:1000台)
前年比伸び率(%)                  6.6       5.3       9.9      8.3

エンド・ユーザーによる支出      5,279.9   5,374.9   5,563.2   5688.8
 (100万ドル)
前年比成長率(%)                 11.6       1.8       3.5      2.3
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出典:Dataquest社(2002年12月)

 アジア太平洋地域の多くの国において成長が期待できるが,「とりわけ中国とインドが同地域の拡大をけん引する」(Dataquest社)という。

 アジア太平洋地域の成長を後押しする要因は多数ある。「金融業界における需要が急速に高まっているほか,ITの恩恵を受けたいという政府機関が積極的に投資を行っている」(Boon氏)

 また,同社Asia/Pacific Computing Platformsグループ担当主任アナリストのJennifer Wu氏は,「短期的には,Linuxサーバーやブレード・サーバーなど,ばらばらのカテゴリで成長をみせる。しかし成熟市場ではシステム統合の必要性が生まれ,2003年後半に向けてサーバーやシステムを統合するための投資が増加する」と分析した。サーバーのASP(平均販売価格)は低下するものの,市場はサーバー統合に対する需要の高まりによって勢いづき,売上高が成長するとみる。

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