米IDCが米国時間5月30日に,2003年第1四半期の世界サーバー市場に関する調査結果を発表した。それによると,2003年第1四半期における工場出荷時の売上高は前年同期比3.6%減の105億ドルで,「事前に予測した通り」(IDC)となった。出荷台数は前年同期と比べて11.5%増加した。
2万5000ドル未満のエントリ・サーバーが好調で,工場出荷時の売上高が前年同期と比べて10%近く成長した。「IT部署は,限られた予算の中で,既存のコンピューティング・インフラに能力を追加するかたちで,低コストのサーバーを購入している」(IDC)
メーカーの首位は米Hewlett-Packardで,売上高ベースのシェアは27.9%,IBMが2.4ポイント差で後を追う。3位は米Sun Microsystems,4位は米Dell Computer,5位は富士通と続く。
Dell社は売上高が前年同期と比べて15.1%増加した。IBM社も同6.9%成長している。これに対し,首位のHP社は同11.7%減少し,Sun社は同15.3%落ち込んだ。
■2003年第1四半期の世界サーバー市場,メーカー別工場出荷時の売上高(単位:100万ドル) 2002年Q1 市場 2003年Q1 市場 成長率 メーカー シェア シェア HP $3,325 30.4% $2,937 27.9% -11.7% IBM $2,511 23.0% $2,684 25.5% 6.9% Sun $1,589 14.5% $1,346 12.8% -15.3% Dell $856 7.8% $985 9.3% 15.1% 富士通 $573 5.2% $560 5.3% -2.2% その他 $2,075 19.0% $2,028 19.2% -2.3% 合計 $10,929 100.0% $10,541 100.0% -3.6% 注記:HP社のデータには,HP社と米Compaq Computerのデータを含む。 出典:IDC
UNIXサーバー分野は依然として競争が激しく,HP社とSun社が1位を分け合った。IBM社が3位につけた。UNIXサーバー全体の売上高は43億ドルで前年同期比12.9%減少した。特にミッドレンジとハイエンド機の平均販売額が低下したことが影響した。
Linuxサーバーの売上高は前年同期比35%増の5億8300万ドル,Windowsサーバーは同10%増の32億ドルだった。
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