ソフトバンク・インベストメントの子会社であるイー・トレード証券は,同社のLinuxベースのオンライン証券取引システムに,米BEA SystemsのJavaアプリケーション・サーバー「WebLogic Server」とJava仮想マシン(JVM)「WebLogic JRockit」を採用した。BEA社が米国時間2月2日に明らかにしたもの。「ミッション・クリティカルなシステム・インフラにIAサーバーを導入するのは,オンライン証券取引業界では初めての試み」(BEA社)という。

 WebLogic SeverとWebLogic JRockitは,Intelアーキテクチャ向けに最適化しており,ユーザーは各種ハードウエアを利用して拡張性のあるオープンなアプリケーション・インフラを構築できる。BEA社によると,「WebLogic JRockitは,Intelアーキテクチャ向けに最適化した初のJVM。Javaアプリケーションを安価なプラットフォームで高性能に運用できるため,TCOを大幅に削減できる」という。

 同証券取引システムは,BEA社のパートナ企業である野村総合研究所,日立製作所,日立ソフトウェアエンジニアリングが開発した。従来のシステムより,「コスト効率が約10倍優れているほか,性能およびトランザクション処理を約2倍に高め,ハードウエアと保守にかかる費用を20%削減できる」(BEA社)

 ソフトバンク,システム開発部長の木村紀義氏は,「WebLogic ServerとWebLogic JRockitによって,システムの処理性能と安定性を向上できた。また,Intelアーキテクチャと組み合わせたことで,開発費の削減と,コスト効率の維持が可能となった。この新しいシステムのおかげで,競争が厳しいオンライン証券業界で優位に立つことができる」と説明する。

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