米国土安全保障省(DHS)の国立サイバー・セキュリティ局(NCSD:National Cyber Security Division)が,国民向けのコンピュータ・セキュリティ情報サービス「National Cyber Alert System」の運用を開始した。DHSが米国時間1月28日に明らかにしたもの。NCSDは同サービスを通じ,米国の一般市民や企業/政府組織の技術者にセキュリティ関連文書や,ガイドライン,脅威への対応策などを提供する。
National Cyber Alert Systemは,コンピュータの脆弱性やセキュリティ上の問題について特定/分析/分類を行う。運営は,NCSDと民間組織で作るUnited States Computer Emergency Readiness Team(US-CERT)が担当する。
DHS NCSDディレクタのAmit Yoran氏は,「National Cyber Alert Systemの運営を始めたことで,国民の認識を高め,我が国のITセキュリティに対する警戒態勢を向上できる」と述べる。「脅威の内容や,実行すべき対策をすべてのコンピュータ・ユーザーに分かりやすく説明することで,対応の優先順位付けや対策実行を支援する」(同氏)
同サービスの主な内容は以下の通り。
・Cyber Security Tips(サイバー・セキュリティのヒント):
家庭や企業の技術に詳しくないユーザーを対象に,セキュリティを確保する方法などについての情報を隔週提供する
・Cyber Security Bulletins(サイバー・セキュリティ報告書):
技術者向けの報告書で,セキュリティ上の問題,新たに見つかった脆弱性,潜在的な影響,パッチや回避策,危険を緩和する対策などを隔週提供する
・Cyber Security Alerts(サイバー・セキュリティ警告):
一般ユーザー向けと技術者向けの2つの形式で,セキュリティの問題や脆弱性などに関する情報をリアルタイムに配信する
いずれの情報も電子メールで配信され,無料で購読できる。申し込みはUS-CERTのWebサイトで行う。さらに一般ユーザーは,US-CERTの提携サイトStaySafe OnlineでもCyber Security TipsおよびCyber Security Alertsの購読を申し込める。
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