カナダのNortel Networksが現地時間1月22日に,製造業務のほぼすべてを社外に委託する方針を発表した。カナダのカルガリーとモントリオール,ブラジルのカンピナス,北アイルランドのモンクスタウン,フランスのシャトーダンにある同社施設で行っている製品組み立て,試験,修理業務をアウトソースするという。さらに,関連サプライ・チェーンの管理業務も停止し,各地のサプライヤとの関係も解消するとしている。

 現在同社は,電子機器製造請負サービス(EMS)を手がけるシンガポールのFlextronics Internationalとのあいだで,業務委託に向けた交渉を進めている。交渉が成立した場合,年間販売コスト20億ドル以上に相当する製造業務を委託することになる。さらに,Nortel社の5億ドルを超える製造/在庫関連資産をFlextronics社に移管するのに伴い,Flextronics社は同額を現金で9カ月かけてNortel社に支払う。ただしNortel社は「今のところ,こうした交渉が最終的な契約につながる保証はない」としている。

 製造業務をアウトソースすることについて,Nortel社グローバル・オペレーション担当社長のChahram Bolouri氏は「EMS業界の拡大を続けるサプライ・チェーン能力を今後も活用することで,当社のサプライ・チェーンのレベルを向上させ,差別化により競争力を強化し,顧客に利益をもたらす」と述べる。

 またFlextronics社について,同氏は「当社の迅速な製品化,品質,コスト削減という目的に合ったサプライ・チェーン能力を備え,当社が事業を展開している国々の多くにルートを持っているので,世界規模の展開を迅速に進められる」と評価する。「製造業務を外部委託することで,当社はコンバージド・ネットワークの提供に必要な業務に注力できるようになる」(同氏)

 なおFlextronics社と契約を結ぶと,Nortel社は「最大で約2500人の従業員に影響が出る」と見ている。

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