米3Com社は,効率性の向上とコスト削減努力の一環として,すべての製造活動をアウトソースする計画を米国時間9月10日に発表した。同社は,製品開発と供給チェーンに関しても調整を行なう。

 同社は,内部のエンジニアリングをVoIP,ASIC,XRNアーキテクチャ,セキュリティといった付加価値が高い製品に向け,内部のリソースを補うために世界のパートナを利用する。同社社長兼CEOのBruce Claflin氏は,同戦略により「企業市場に向けて競争力がある包括的なネットワーキング製品の提供を狙う」と説明する。

 同社は,今後6カ月以内に,現在行なっている企業向けネットワーキング製品の製造,流通,関連活動のすべてをシンガポールのFlextronics社と米Jabil Circuit社に完全に委託する。また,3Com社のグローバル製品の流通管理もFlextronics社が担当する。3Com社とパートナ企業の間に交わされた契約内容の詳細は明らかにされていない。

 同社は,Taiwan Design Center(TDC)の設立も発表している。同センターは,ローエンドの量産製品の設計と製造を行なう。同社の従業員とOEMパートナの従業員を置く。2003年11月末を開始し,翌年5月末までに完全に従業員を揃える予定。

 同社のアウトソーシング戦略の影響を受け,同社の製造業,製品開発,供給チェーン・オペレーションに携る従業員が解雇される。職を失う従業員は,世界でおよそ1000人に達する。アイルランドのダブリンにある同社の製造施設も2004年2月末に閉鎖される。

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