米Visant Strategiesは米国時間11月12日に,高速無線ブロードバンド技術に関する調査結果を発表した。それによれば,無線802.20規格により,現行のモバイル・ワイヤレス・インターネットの短所の多くが解消され,価格とパフォーマンスが大きく改善されるという。

 調査によれば,世界の無線通信事業者が現在使っている第2.5と第3世代の無線モバイル技術は,音声と低帯域のアプリケーションにはもっとも適している。しかし,これら技術は,企業向けの手頃なモバイル・データ・サービス,またハイエンドの消費者向けアプリケーションの提供にあたって限界がある。

 現行の技術では無線通信事業者が収益性の高いサービスを提供できないため,モバイル業界は無線インターネットに移行しているものの,世界の無線データ・サービスの売上高をみると,メッセージング・サービスが60%以上を占めている。

 第2.5と第3世代技術は,多くのユーザーが携帯電話機に投資しているため好調である。同社によれば,802.20技術により投資額を抑えて販売利益が高いサービスの提供が可能になるという。そのため,同技術の利用者は,2009年までに3000万人に達すると予測している。

 また,調査によって802.16と802.20技術は,2つの異なる種類の通信事業者によって利用されることが明らかになった。802.16は,移動しないブロードバンド・ユーザーを対象とした固定通信事業者が配備する。802.20は,ハイエンドのデータ・サービスの提供を望むモバイル通信事業者によって使われるという。

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