無線ブロードバンド接続機器の互換性と相互運用性を促進するために,大手通信機器企業が,非営利企業であるWiMAX(World Interoperability for Microwave Access)フォーラムに参加している。WiMAXが米国時間4月8日に明らかにした。IEEE802.16標準に準拠する無線ブロードバンド機器の市場への投入を促進し,世界のブロードバンド配備におけるラスト・マイル問題の早期解消を狙う

 現在,同フォーラムには,米Airspan Networks,イスラエルのAlvarion,米Aperto Networks,米Ensemble Communications,米Fujitsu Microelectronics America,米Intel,フィンランドのNokia,OFDM Forum,米Proxim,カナダのWi-LANが参加している。

 WiMAXは,無線LAN機器ベンダーの業界団体であるWi-Fi Allianceが無線LAN業界の成長を支援したアプローチと同じように,相互運用性テスティングの定義と実施をするとともに,合格したベンダーのシステムに認定を示す「WiMAX Certified」ラベルを提供する。

 802.16標準は,802.16aの改定により2GHz~11GHzに対応するようになった都市型無線ネットワーク技術。802.11のホットスポットでインターネットに接続したり,ケーブルおよびDSLの最後の1マイルに無線高速接続を提供する。サービスが提供可能な範囲は直線距離にして約50キロ。同技術は,最高70Mビット/秒のデータ転送率を提供する。基地局の一部を使って,T1型の接続で同時に60を超える企業に対応できる帯域幅を提供する。DSL型の接続では数百世帯に対応できる。

 「無線インターネット・サービス・プロバイダは,米国内におけるサービスが十分に行き届いていない2500を越える市場で,プロプライエタリの技術ソリューションを使って無線ブロードバンド・アクセスを配備している。802.16技術に準拠したソリューションを配備することにより,サービス・プロバイダはシステム・パフォーマンスと信頼性を高めながら,機器購入費用と投資リスクを低下させることができる」(WiMAX社長のMargaret LaBrecque氏)

 WiMAXは,2004年に準拠テスト・プラン開発,認証ラボの選択,802.16機器ベンダー向け相互運用性イベントの主催を予定している。また,欧州の都市型無線ブロードバンド標準であるHIPERMANのテスト開発計画で,欧州の技術標準化団体であるETSI (European Telecommunications Standards Institute:欧州電気通信標準協会)とも連携する。

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