スウェーデンのEricssonは現地時間10月30日,2003年第3四半期の決算を発表した。売上高は280億クローナ(約35億9000万ドル)で,前年同期の335億クローナ(約43億ドル)と比べて16%減少。純損失は39億クローナ(約5億ドル)で,前年同期の50億クローナ(約6億4000万ドル)から赤字幅を縮小した。1株当たり損失は0.25クローナ(約3セント)で,前年同期は0.41クローナ(約5セント)だった。

■2003年Q3業績と前年同期比および前期比
---------------------------------------------------------------------------
(単位:10億クローナ)   2003年Q3    2002年Q3   増減率   2003年Q2  増減率
---------------------------------------------------------------------------
受注額                     28.1        20.5      37%       28.3     -1%
売上高                     28.0        33.5     -16%       27.6      2%
調整後の粗利率(%)      35.9%       32.6%        -      35.1%       -
調整後の営業利益            1.3        -3.2        -       -0.2       -
金融収支の調整後利益        1.0        -3.6        -       -0.2       -
純利益                     -3.9        -5.0        -       -2.7       -
1株当たり利益             -0.25       -0.41        -      -0.17       -
資金調達活動前の
   キャッシュ・フロー       9.1        -2.7        -        5.1       -
年換算の営業支出             38          52     -27%         42     -9%
従業員数                 53,401      71,723     -26%     57,644     -7%
---------------------------------------------------------------------------

 Ericsson社社長兼CEOのCarl-Henric Svanberg氏は,「当社は黒字回復に向かっている」としながらも,「収益性を確保するには,まだやらなければならないことがたくさんある」と付け加えた。また,「2004年第3四半期には,年換算の営業支出を33億クローナに縮小することを目指し,コスト管理と運営向上に注力する」(同氏)と述べた。

 なお,Ericsson社は今後の市場について,次のように予測している。「世界の携帯電話ユーザーは増加の一途をたどっており,2008年には20億人近くにのぼる勢いだ。特に,中国,インド,ロシア市場は,関税削減の影響もあり,成長が著しい。現在の携帯電話普及率は,アジア太平洋地域ではわずか12%。西欧と北米は,それぞれ80%と51%である。なお,2003年の世界携帯電話市場は米ドル・ベースで前年比10%減少する見込み。2004年は2003年と比べてほぼ横這いとなるだろう」(Ericsson社)

 ちなみに当期末時点の従業員数は約5万3400人で,前年同期と比べて4200人減少した。同社は2004年中に,従業員数を4万7000人に抑えることを目標としている。

◎関連記事
Ericssonの2003会計年度Q1決算,「赤字額が増加だがEPSは横ばい」
Sony Ericssonの2003年Q3決算,前年同期比50%増収で黒字転換
フィンランドのNokia,2003年Q3決算,携帯電話機の出荷増加で売上高とESPの目標を達成
フィンランドのNokia,4グループで構成する新たな事業体制を発表
米Motorolaの2003年Q3決算,前年同期比増収増益で「明るい兆し」
米Motorola,会長兼CEOのGalvin氏が退任へ
「2003年Q2の携帯電話販売台数は前年同期比12%増の1億1490万台」,米ガートナーの調査
「2003年Q2の携帯電話機出荷台数は前期比2%増,買い換えが約2/3を占める」,米調査

[発表資料へ]