米Microsoftが,米AMDの64ビット・プロセサ向けアーキテクチャであるAMD 64に対応するサーバー用OS「Windows Server 2003 for 64-Bit Extended Systems」のベータ版を米国時間10月15日に発表した。「Standard」版と「Enterprise」版を用意する。Microsoft社は,同社の開発者向け有償サービス「MSDN」の加入者向けに同日より提供を始める。一般向けには後日公開するという。

 AMD 64は,ADM社の64ビット・プロセサAthlon 64およびOpteronが採用するアーキテクチャ。x86命令セット・アーキテクチャ(ISA)を64ビットに拡張しており,32ビットと64ビットの両ソフトウエアを実行できる。

 「AMD64対応により,同一マシン上で32ビット/64ビット・アプリケーションの混在が可能となり,顧客は価値と柔軟性を得られる。さらに価格性能比も向上する」(Microsoft社)

 また同社は,米Intelの64ビット・プロセサItaniumをベースとするシステム向けのOS「Windows Server 2003 for 64-bit」として,新たに「Standard」版の提供を行う方針も明らかにした。現在同OSでItaniumに対応しているのは,「Enterprise」版と「Datacenter」版だけである。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,Windows Server 2003 for 64-Bit Extended Systemsの最終版のリリースは当初予定よりも遅れ,2004年後半になる見込みという。

◎関連記事
米AMD,デスクトップ/ノートPC向け64ビット・プロセサ「Athlon 64」を発表
米AMD,64ビット・プロセサ「Opteron」を発表。米IBMなどが採用表明
米Microsoft,64ビット版Windows XPのベータ版を公開
米Microsoft,Opteron/Athlon 64向け64ビット版「Windows XP/Server 2003」を開発中
独SuSEが32/64ビット版「SuSE Linux 9.0」を10月24日にリリース,Linuxカーネル2.6のテスト版も実装
米Sun,企業向けデスクトップ用Javaシステムで「Athlon 64」をサポート
米Appleが「Power Mac G5」を発表,米IBMと共同開発した64ビット・プロセサを搭載
「デスクトップ向けプロセサ市場,2003年まで米インテルの独走が続く」,と米調査

[発表資料へ]