米Microsoftは64ビット版Windows XPのベータ版「Windows XP 64-Bit Edition for 64-Bit Extended Systems」を米国時間9月23日,公開した。米AMDの64ビット・プロセサ「Opteron」を搭載するワーク・ステーションや,「Athlon 64」を搭載するデスクトップ・パソコンにネイティブで対応する。「デジタル・コンテンツの作成,ビデオ編集,ゲームなど,高性能な次世代デスクトップ・コンピューティングが必要な一般ユーザーや企業ユーザーの需要に応える」(Microsoft社)

 Windows XP 64-Bit Edition for 64-Bit Extended Systemsでは,Windows XP対応の32ビット・アプリケーションを,64ビット版のWindows XPでも動作できる「Windows on Windows 64(WOW64)」技術を採用。x86命令セット・アーキテクチャを64ビットに拡張したAMD社の「AMD64」アーキテクチャを利用して,32ビット・アプリケーションとの互換性を提供する。

 Microsoft社Windows Client部門担当コーポレート・バイス・プレジデントのChris Jones氏は,「64ビット技術の普及を妨げていたのは,64ビット・システム上で効率的に32ビット・アプリケーションを動作させることができなかった点だ」と説明する。「Windows XPとAMD64を組み合わせたことで,顧客は将来のニーズを考慮した処理能力とメモリーを手に入れると同時に,32ビット・アプリケーションも利用できる」(同氏)

 Microsoft社とAMD社は,同OSがエンジニアリング,科学,財務サービス,オンライン取引,データ・ウエアハウス,CADなどの分野で利用されることを見込んでいる。

 Windows XP 64-Bit Edition for 64-Bit Extended Systemsのベータ版は,Microsoft社の開発者向け有償サービス「MSDN(Microsoft開発者ネットワーク)」の加入者がダウンロードできる。最終版は2004年前半に利用可能になる見通し。なお現在,64ビット版「Windows Server 2003」のベータ版も公開中で,同OSの最終版も2004年前半にリリース予定という。

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