米AMDは,64ビット・プロセサ製品系列「Athlon 64」の新型プロセサ4モデルを米国時間9月23日に発表した。デスクトップ・パソコン向けの高性能版「Athlon 64 FX-51」,デスクトップ/ノート・パソコンそれぞれ向けの「Athlon 64 Model 3200+」2モデル,ノート・パソコン向けの「Athlon 64 Model 3000+」である。

 同プロセサについて,AMD社は「ゲーム愛好者,パソコン・マニア,デジタル・コンテンツ製作者向けに開発した製品で,世界で最も進んだ技術を採用し,最高の性能を発揮する32ビット/64ビット・プロセサ」と説明する。「Athlon 64 FXプロセサ・ベースのシステムを使うと,あたかもその世界に入っているような現実感を持ち,双方向性を備える“映画品質のコンピューティング”を体験できる。現在これだけの品質の映像を提供できるシステムはDVDだけだ」(同社)

 Athlon 64は,x86命令セット・アーキテクチャ(ISA)を64ビットに拡張した「AMD64」と呼ばれるアーキテクチャを採用する初めてのデスクトップ/ノート・パソコン用プロセサ。32ビット・ソフトウエアを高速実行できると同時に,64ビット・アプリケーションへのスムーズな移行が可能という。同社では,「新しい64ビット・ソフトウエア導入を決断するまで,現在使用中の32ビット・ソフトウエアを使い続けることができ,ユーザーはこれまで行った投資を無駄にしないで済む」としている。

 各プロセサの1000個ロット時の単価は,Athlon 64 FX-51が733ドル,Athlon 64 Model 3200+が417ドル,Athlon 64 Model 3000+が278ドル。世界各地の60社以上のメーカーやシステム・ビルダーが,同プロセサを搭載するパソコンを計画中という。

 なお米メディアの報道(InfoWorld)によると,Athlon FX-51は1Mバイトのレベル2キャッシュを搭載し,動作周波数は2.2GHzという。Athlon 64 Model 3200+も同じ容量のキャッシュを持ち動作周波数は2GHz。またAthlon 64 Model 3000+の動作周波数は1.8GHzとしている。

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