カナダのATI Technologiesは,2003会計年度第4四半期(2003年6月~8月期)の決算を現地時間10月3日,発表した。売上高は3億8070万ドルで,前期の3億5570万ドルから7%増加,前年同期の2億2290万ドルからは70.8%の増収となった。純利益は2230万ドル(1株当たり利益は9セント)で,前期の1500万ドル(同6セント)から増加,前年同期の純損失3460万ドル(1株当たり損失は15セント)から大幅に改善した。

 調整後の純利益は2900万ドル(1株当たり利益は12セント)で,前期の2010万ドル(同8セント)から増加した。前年同期は10万ドルの赤字(1株当たり損失は0セント)だった。

 粗利率は前期比3ポイント増の35.6%。営業支出は9950万ドルで,前期と比べて970万ドル拡大した。

 ATI Technologies社によれば,ノート・パソコン向けグラフィックス・チップ「MOBILITY RADEON 9600 VPU」,ワークステーション向けグラフィックス・カード「FireGL X2-256」「同T2-128」,携帯電話向けグラフィック・プロセサ「IMAGEON」などの販売が好調だったという。

 「すべての製品事業が当期の増収に貢献したが,特に消費者向けが初めて売上増に寄与した。各パソコン分野での業績が堅調であること,携帯電話事業が成長を続けていることから,2004会計年度も見通しは明るい」(ATI Technologies社,会長兼CEOのK. Y. Ho氏)

 また,同社は2004会計年度第1四半期の見通しを明らかにした。売上高は4億~4億3000万ドル,粗利率は32~35%の範囲としており,調整後の純利益は当期と比べて横ばい,あるいは微増を見込んでいる。

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