米NVIDIAは，モバイル機器向けグラフィックスLSIメーカーの米MediaQを買収することで最終合意書に署名したことを，米国時間8月4日に明らかにした。買収総額は7000万ドルで，NVIDIA社はこれを主に現金で支払う。
取り引きの完了はNVIDIA社の2004会計年度第3四半期を予定している。すでに両社の役員会から承認を得ているという。
MediaQ社は1997年に設立された未公開企業。描画性能と接続性を向上しつつ，チップやシステムの電力消費を低減する技術を中核としている。同社の製品は，米Microsoftの「PocketPC」や「SmartPhone」をはじめ，米Palm傘下のPalmSourceや英SymbianのOSに対応したドライバやAPIなどを組み合わせており，第3世代（3G）および第2.5世代（2.5G）携帯電話機，PDA，LCDディスプレイといったモバイル機器での使用を想定している。同社の顧客には，三菱電機，ドイツのSiemens，台湾のDBTel，米Dell Computer，米Hewlett-Packard，オランダのPhilips，シャープ，ソニー，Palm社などが含まれる。
「今回の買収は，無線モバイル市場への参入を推進する当社の戦略に沿ったもの。MediaQ社はすでに，3Gモバイル・マルチメディアの柱となる分野で主要企業との強い関係を築いている。MediaQ社を獲得することで，超低電力設計とシステム・オン・チップ（SOC）設計における競争力の拡充を図る」（NVIDIA社CEOのJen-Hsun Huang氏）
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