米Nazomi Communications社が英ARMを相手取って起こしていた特許侵害訴訟で,裁判所はNazomi社の主張を棄却する略式判決を下した。ARM社が10月1日に明らかにしたもの。

 Nazomi社は2002年5月に,同社のRISCおよびCISCプロセサ用のJavaアクセラレータに関する特許を英ARMが侵害しているとして,カリフォルニア州北地区連邦地方裁判所に提訴した。

 Nazomi社が問題としている特許技術(米国特許番号6,332,215)は,ハードウエアによるJavaアクセラレータ。Javaバイトコードのシステム上における実行を高速化するためにJava仮想マシンの一部を実装して提供するもの。Javaのバイトコードをハードウエアでプロセサのネイティブ・コードに変換してJavaプログラムの実行を高速化する。

 連邦地裁判事は今回,「ARM社のアクセラレーション技術『Jazelle』を用いた製品は,Nazomi社の特許を侵害していない」と判断し,ARM社側の申し立てを認めたという。

 この判決に対し,Nazomi社は異論を唱えるコメントを10月2日に発表した。「当社は裁判所の判断を不服とし,控訴する構えだ。もし今回の判決を認めれば,開発を行っているすべての企業は,知的財産権が不正利用される危険性を負うことになる」(Nazomi社社長兼CEOのMukesh Patel氏)

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[発表資料(ARM社のプレス・リリース)]
[発表資料(Nazomi社のプレス・リリース)]