米Sun Microsystemsは,フランスのカンヌで開催された3GSM World Congressで,Java技術対応モバイル機器向けのソフトウエア・テスト・スイート「Java Device Test Suite」を現地時間2月17日に発表した。この種のテスト・スイートとしては業界初の製品という。Sun社では「Java技術対応モバイル機器の品質保証作業を簡素化し,製品化にかかる期間を短縮する低コストソリューション」と説明している。

 Java Device Test Suiteは,機器に実装したJava 2 Platform, Micro Edition(J2ME)の評価/検証/品質保証を行うための包括的なテストを提供する。モバイル機器向けコンフィグレーションConnected Limited Device Configuration(CLDC)とモバイル機器向けプロファイルMobile Information Device Profile(MIDP)に対応するハンドセットを試験できる。また,携帯電話機にJavaを搭載する際のガイドラインJava Technology for the Wireless Industry(JTWI)向けのテストも近い将来リリースを予定している。

 同テスト・スイートでは,機能/負荷/性能/サンドボックス・セキュリティという4カテゴリについて5000種類以上のテスト・ケースを利用できる。モジュラ設計により,テスト・スイートを追加して新しいAPIの試験やカスタム化した試験などを簡単に実施できるという。また集中管理可能な試験実行フレームワークを採用している。「試験の標準化や簡素化,品質保証試験の自動作成といったことから,作業コストの削減が可能」(Sun社)

 さらに,複数のテスト・スイートを同時に実行できる。そのため,複数試験の同時実行や複数機器の同時試験を行うことで,試験作業の高速化を図れる。

 Java Device Test Suiteは,2003年6月に利用可能とする。

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