米Palmは米国時間7月23日に,新型PDA「Palm Tungsten T2」を発表した。320×320ピクセルの透過反射型TFTカラー・ディスプレイを持ち,メモリー容量は従来機「Palm Tungsten T」の2倍に当たる32Mバイトを搭載する。Palm Tungsten Tと同様Bluetoothやボイス・レコーダ機能を備えるほか,マルチメディア機能を強化したという。

 Palm Tungsten T2の主な特徴は以下の通り。

・メモリー:
 32Mバイト(ユーザー領域は29.5Mバイト)のSDRAMを搭載。Palm社Solutions Groupが開発した「Palm Powered対応PDAのメモリー容量を8倍に増やす」(同社)技術により,従来機の2倍に相当するメモリー容量を実現したとする。

・Bluetooth機能:
 Bluetooth対応携帯電話機を使うと,世界20カ国以上で無線ネットワーク接続が利用可能となる。ネットワーク/電話対応機能としては,電子メール・ソフトウエア「VersaMail 2.5」,Webブラウザ「Palm Web Browser Pro」,ダイヤル機能付き住所録ソフトウエア「Palm Address Book」,ショート・メッセージング・システム(SMS)管理ソフトウエアを内蔵する。

・プロセサ/OS:
 プロセサは米Texas Instrumentsの「OMAP1510」,OSは「Palm OS, v5.2.1」。同OSは,カラー・テーマ,手書き文字認識機能「Graffiti 2」,コンパクト・モード時に画面上で文字入力可能とする機能などを備える。

・マルチメディア対応:
 拡張カードに保存したMP3/ビデオ/写真ファイルの再生や表示が可能。RealOne Mobile Player,Kinoma Player/Producer,Palm Photosといったソフトウエアが付属する。各種QuickTimeアプリケーションにも対応。内蔵スピーカとステレオ・ヘッドフォン・ジャックを備える。

 Palm Tungsten T2の米国での予想小売価格は399ドル。中国とブラジルを除く世界各地で同日より購入可能とする。さらに同社は,199ドルだった「Palm m130」を179ドルに,299ドルだった「Palm m515」を249ドルに値下げした。新価格は同日より適用する。

 また同社によると,ニューヨークの学校関係者向けの取り組みNew York Technology, Achievement, Leadership, Knowledge and Skills(NYTALKS)で,3年計画の一環としてPalm Tungsten T2を1100台導入することになったという。

 NYTALKSは,ニューヨークの学校関連組織であるNew York State Council of School Superintendents,School Administrators Association of New York State(SAANYS),State Education Department(SED)が運営する取り組みで,K-12(小,中,高の12年間の教育)の公立/私立学校におけるIT普及を目的としている。NYTALKSは,2004年も1600台のPalm対応PDAの購入を予定しており,前年購入した分と合わせ計5000台を導入する計画。

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[発表資料(Palm Tungsten T2)]
[発表資料(NYTALKSの購入計画)]