米In-Stat/MDRが米国時間2月25日に,PDA市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年から2007年までの年平均成長率は18.3%で,2003年に最も急速な成長をみせる。

 2002年は世界経済の落ち込みや米国での消費意欲の低下,企業のIT予算の引き締めなどでPDA市場の伸びが鈍化したが,2003年は製品の値下げ,OSの改良,マルチメディアや無線機能の搭載が市場の拡大を後押しする。

 「PDA市場の成長は,PDAが単なる周辺機器にとどまらないことを消費者に納得させられるか否かにかかる。ベンダーや部品メーカーはこの方向で戦略を調整している」(In-Stat/MDR社アナリストのCindy Wolf氏)

 多くのPDAメーカーが今年,ローエンド,ミッドレンジ,ハイエンドの3カテゴリでさまざまな製品を提供する構えだ。メーカー各社はマルチメディア市場に進出しようとしており,今年はマルチメディア機能の強化に注力する。また,新規ユーザーを引きつける製品を提供するため,製品の利幅を下げるようになるだろう。

 その他,主な調査結果は以下の通り。

・インターネット接続機能を装備したPDAが増える。2002年に同機能を備えたPDAは約15%だったが,2007年には75%に増加する

・PDAのメモリー・スロット規格は,今後もSecure Digital (SD)が優勢となる。また,フラッシュ・メモリー・カードの密度が大幅に向上し,マルチメディアや無線機能がさらに実用的になる

・今年は無線機能および通信機能を備えたPDAが,特にハイエンド向け分野で増加する。ユーザーにとって802.11とBluetooth対応モデルの選択肢が広がる

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