米SRI International社と米Palm社が,K-12 (小,中,高の12年間の教育)におけるハンドヘルド技術使用に関する調査結果を発表した。今回の発表はPalm Education Pioneer (PEP)プログラムのもとティーチングと学習にハンドヘルドを使った100教室の調査結果をもとにしている。

 調査で明らかになった主な結果は次の通り。

・96%の回答者は,ハンドヘルド・コンピュータが「教師にとって効果的な教育ツールである」に賛成,または強く賛成している
・93%の回答者は,「生徒がハンドヘルド・デバイスを持つことは,ティーチングにおいてプラス効果がある」に賛成,または強く賛成している
・73%の回答者が「ハンドヘルド・コンピュータは,デスクトップ・コンピュータに比べて学級活動の流れの中でより容易に使うことができる」に賛成,または強く賛成している

 調査結果によれば,教師と研究者は,生徒がハンドヘルド・コンピュータを個人の学習ツールとして使うことに価値を見出している。またハンドヘルドの使用は,生徒に自主性と責任感をもたらすという。

 全体として,PEP教師たちは教室におけるハンドヘルド・コンピュータの使用は,新しい教育と学習活動を可能にし,既存の活動も円滑に行えるようにすると報告している。野外の調査学習活動,クラスルーム管理,生徒の協調とインタラクションの促進,生徒の整理整頓技術の改善などの多数の分野でメリットがある。

 しかし,回答者の中にはハンドヘルド・コンピュータが生徒の振る舞いに否定的なインパクトを与えることを懸念している者もいる。懸念する事項として,時に使い勝手が複雑な点,手書き認識ソフトウエアのマスターが難しい点,ハンドヘルド・コンピュータの紛失や盗難の可能性を挙げている。

 PEPプログラムは,SRI International社のCenter for Technology in Learning (CTL)が運営している。同プログラムは,教育と学習におけるハンドヘルドの使用と効果について研究しており,米国内の175の教室に230万ドルの技術補助金を与えている。

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