米QUALCOMMは米国時間7月23日に,2003会計年度第3四半期(2003年4月~6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比20%増の9億2200万ドル。純利益は1億9200万ドル(1株当たり利益は23セント)で,前年同期の純損失1400万ドル(1株当たり損失は2セント)から黒字転換を果たした。

 戦略的投資を行うQUALCOMM Strategic Initiatives(QSI)事業に関連した利益や経費を除いた売上高は,前年同期比24%増の8億9100万ドル。同条件の純利益は前年同期比38%増の2億6700万ドル(1株当たり利益は33セント)となった。

 当期の研究開発費は前年同期より15%多い1億3600万ドルで,そのうち100万ドルはQSIに向けたものだった。

 QUALCOMM社会長兼CEOのIrwin M. Jacobs氏は,「当社の事業は,強力なキャッシュ・フローを生みだす一方で,売上高や利益を継続的に伸ばしている。このため取締役会は,株主への現金配当を40%増やすことを承認した」と述べた。「当期は,CPUを2個搭載するLSI『MSM7xxx』ファミリなど,新しいマルチモード・チップをいくつか発表して製品ラインを増強した」(同氏)

 また同氏によると,中国とインドの両市場が勢いを増しているほか,米大陸,日本,韓国におけるCDMA事業が活発だという。また,日本と欧州では今後,W-CDMAの導入が始まることから,来年の無線市場においてもCDMAが大きなシェアを獲得できるとみる。

 QUALCOMM社は今後の業績について,次のような予測を立てている。

・2003会計年度第4四半期(2003年7月~9月期)の売上高は前年同期比約2~6%増,1株当たり利益は19セント~21セントの範囲。

・2003会計年度通期の売上高は前年比30~31%増,1株当たり利益は前年比91%~95%増の84セント~86セントの範囲。

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