米SCO Groupは米国時間7月21日,「UNIX System V」ソース・コードに関する米国著作権登録が認められたと発表した。それに伴い,Linuxを導入している企業に向けたライセンス・プランを明らかにした。

 同プランでは,Linuxカーネル2.4以降を導入しているすべての企業を対象に,Linuxのランタイム・バイナリ利用をサポートする「UnixWareライセンス」を提供する。SCO社SCOsource知的所有権部門上級バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのChris Sontag氏は,「2001年以降,商用Linuxの顧客は,当社所有のUNIXソフトウエアが一部不正利用された製品を購入し,受け取ってきた。これらの顧客が著作権侵害に問われないために,完全に料金を支払い,合法的にLinuxを利用できる選択肢を提供する」と述べた。

 SCO社は今週中に,Linuxを導入している企業に対して,UnixWareライセンス購入の提案を開始するという。顧客と再販事業者に向けたUnixWareライセンスの詳細な金額は,数週間以内に明らかにする予定である。「当社のUNIXソース・コードを保護し,著作権の効力を主張するために,可能な限りあらゆる手段を講じる」(SCO社)

 SCO社は今年に入って,同社が所有するUNIXの知的所有権から積極的にライセンス料を徴収する「SCOsource」戦略を展開している。2003年3月には,「米IBMがLinux事業を推進するためにUNIXソフトウエアのライセンスを不正利用した」として,IBM社を提訴した。また「Linuxの使用に関する法的責任が商用ユーザーにまで及ぶ可能性がある」ととの警告をLinuxベンダーやユーザー各社に送付した。

 これに対しNovell社は,異議を唱える書簡を送付。書簡の中でNovell社は,「SCO社とNovell社は1995年に,SCO社がNovell社からUNIXを買い取ることことで提携を結んでいるが,Novell社の認識によれば,この提携は,関連する権利をSCO社に譲渡するものではない」と述べた。しかしSCO社は,Novell社からUNIXとUnixWare技術のすべての権利を取得していることを示す修正契約の存在を6月6日に明らかにし,著作権を有することを改めて主張した。また6月16日には,IBM社のUNIX系OS「AIX」の利用と販売ライセンスが無効になったと発表している。

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