米SCO Groupが米国時間3月7日に,UNIXソフトウエアのライセンス契約に違反したとして,米IBMをユタ州裁判所に提訴したことを明らかにした。SCO社の主張は,IBM社がLinux事業を推進するために,UNIXソフトウエアのライセンスを不正利用して不当な競争を生みだし,特に米Intel製プロセサに対応したUNIXの経済的価値に損害をもたらしたというもの。

 IBM社は1985年2月に米AT&TからUNIXのライセンスを取得し,自社版UNIX「AIX」を作成した。しかし,1995年にSCO社がUNIXとUnixWareの権利をAT&T社から買い取り,UNIX事業に関するソース・コード,ソース・ドキュメント,ソフトウエア開発契約,ライセンス,知的財産を取得。これによりSCO社は「もともとAT&T社のBell Laboratoriesが米Hewlett-Packard(HP),IBM社,米Silicon Graphics,米Sun Microsystemsなどに供与したライセンスの利益は,SCO社が継承する」と主張している。

 IBM社がAT&T社と結んだライセンス契約では,UNIXソフトウエアのコードを第三者に開示することを禁じている。SCO社は,「IBM社がこれに違反したために不当な競争が発生し,SCO社の市場機会が侵害された」として,IBM社に10億ドル以上の損害賠償を求めている。

 またSCO社は,IBM社に反競争的行為の停止を求める通知を送付済みだという。IBM社がこれに応じない場合,IBM社がこの通知を受け取って100日後に,AIXのライセンスを無効にするための権限を行使することもあり得るという。

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