米Apple Computerは,これまで映像編集ソフトウエア「Final Cut Pro 4」向けに提供していた作曲ツール「Soundtrack」をスタンドアロンの製品として販売する。Apple社が米国時間7月16日に発表したもの。8月のリリースを予定しており,価格は299ドル。

 Soundtrackには,プロが録音したロイヤリティ無料のオーディオ・ループや音響効果が4000種以上付属する。直感的で使いやすいユーザー・インタフェースを備えており,ユーザーは各ループをドラッグ・アンド・ドロップ操作で組み合わせるだけで作曲できる。各ループの元のキーやテンポが異なっていても,Soundtrackがリアルタイムで調整する。ユーザーは,Soundtrackが備える検索エンジンにより,楽器,ジャンル,雰囲気別に,目的のオーディオ・ループや音響効果を即座に見つけることができる。

 そのほか,Soundtrackには30種以上のオーディオ・プラグインが含まれる。また,Mac OS Xの「Audio Units」規格に対応したサード・パーティのオーディオ・プラグインも利用可能。AIFF,WAV,Acidなどのオーディオ形式もサポートする。

 「SoundtrackはFinal Cut Pro 4ユーザーにたいへん好評で,音楽分野の経験がないビデオ編集者でも,時間とお金をかけずに作曲できる」(Apple社Applications部門上級バイス・プレジデントのSina Tamaddon氏)

 またApple社は,同社ビデオ編集ソフトウエアへの移行を促すキャンペーンを開始した。米Adobe Systemsのデジタル・ビデオ編集ソフトウエア「Premiere」のユーザーを対象に,DV編集ソフトウエア「Final Cut Express」を無償で提供,または,Final Cut Pro 4を500ドルのリベート付きで販売する。期限は2003年9月20日。

 さらに,Macintoshと合わせてFinal Cut Expressを購入する顧客に対しては,Final Cut Expressを99ドルに値引きする。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]