米Sprint,日立製作所の米国法人Hitachi Data Systems(HDS),米Cisco Systemsは,Fibre Channel over IP(FCIP)技術を使ったネットワークを介して非同期データ複製テストを共同で実施した。3社が米国時間7月8日に明らかにしたもの。

 今回のテストは,3600マイル(約5792キロ)強という長距離でデータ複製を検証した。Sprint社のカンザス州オーバーランドパークの研究所からカリフォルニア州バーリンゲームの研究所まで,FCIP技術を用いて接続した。

 テスト・ネットワークに利用したのは,Sprint社の専用回線をはじめ,Cisco社の大規模SAN用スイッチ「MDS 9000」と「MDS 9000 IP Storage Services」モジュール,HDS社のストレージ・システム「Lightning 9900 V Series」。また,データ複製ソフトウエアとして,HDS社の「Hitachi TrueCopy」を採用した。

 「企業は既存のコスト効率の良いIP接続を利用しながら,遠隔地で重要データを複製できるため,本社が災害に遭遇した場合にミッション・クリティカルなデータを保護することが可能。いずれ一部の企業に対して遠隔地におけるデータ複製が法律で義務付けられる可能性があるため,特に金融や医療業界などにとっては有効な手段だ」(Sprint社技術開発担当副社長のOliver Valente氏)

 Valente氏によれば,FCIP技術を利用した従来の遠隔データ複製は,主に都市圏内を想定しており,通常37~45マイル(約60~72キロ)の範囲が限度だった。

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