米IDCが米国時間12月6日に,2002年第3四半期における世界のディスク・ストレージ・システム市場に関する調査結果を発表した。それによると,工場出荷時の売上高は47億ドルで,前期と比べて3%減少した。
メーカーの首位は米Hewlett-Packard(HP)が維持し,売上高ベースの市場シェア27%を占めた。2位は20%のシェアを獲得した米IBM。なお,前期と比べて最も急速に売上高が増加したメーカーは日立(前期比23%増),次いでIBM社(同7%増)だった。
「第3四半期の売上高減少は,ディスク・ストレージ・システム市場の回復にはまだ時間がかかることを示している。また,1台当たりのGバイト容量増加は,1Gバイト当たりの価格低下を補えるほどではない」(IDC,Disk Storage Systemsプログラム部門調査ディレクタのCharlotte Rancourt氏)
カテゴリ別では,NASとOpen SANが前期と比べてそれぞれ10%と6%減少し,市場全体より大幅な落ち込みをみせた。健全な競争の結果,上位メーカーの入れ替わりが起こった。NAS分野の首位は米Network Applianceが獲得し,売上高ベースで38%のシェアを占めた。過去数四半期のあいだ1位を維持していた米EMCは,シェア31%で2位に後退した。Open SAN分野の首位はHP社(売上高ベースのシェア30%),2位はEMC社(同27%)だった。NASとOpen SANを合わせた場合,最も売上高が多かったのはEMC社(同28%)である。
ネットワーク・ストレージ(NASとOpen SAN)と直接外付けストレージを合わせた外付けストレージ全体の2002年第3四半期における売上高は前期比5%減の32億ドル。首位メーカーはHP社(売上高ベースのシェアは22%)で,EMC社(同15.8%)とIBM社(同14.6%)がそれに続く。
外付けRAID全体の売上高は前期比5%減少した。HP社(売上高ベースのシェアは19.8%)が1位を獲得。2位はEMC社(同18.1%)だった。
■2002年第3四半期における世界ディスク・ストレージ・システム市場のメーカー別売上高 (単位:100万ドル) 2002年Q3 2002年Q3 2002年Q3 2002年Q3 成長率 メーカー 売上高 市場シェア 売上高 市場シェア HP $1,294 27% $1,265 26% 3% IBM $952 20% $886 18% 7% EMC $505 11% $643 13% -21% Dell $278 6% $273 6% 2% 日立 $277 6% $224 5% 23% その他 $1,439 30% $1,617 33% -11% 合計 $4,745 100% $4,908 100% -3% 注記:HP社の数字にはHP社と米Compaq Computerの売上高が含まれる。 出典:IDC
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