シスコシステムズは3月18日,音声と映像,データをIPネットワークに統合できるアーキテクチャ「AVVID(architecture for voice,video and integrated data)」のサポート・プログラムを3月20日から日本でも本格展開すると発表した。

 これまで欧米でしか提供していなかった同プログラムの利用により,シスコシステムズの製品で構築したIPネットワークと,ユーザー企業が開発するシステムやソフトウエア,ハードウエアの統合が容易になる。

 AVVIDのサポート・プログラムは2種類。VoIP(voice over IP)システムを中心としたIPコミュニケーションのソリューションが対象だ。(1)開発者向けの「デベロッパサポートプログラム」と(2)開発した製品の承認などを行う「AVVID パートナープログラム」--で構成する。

 (1)では,シスコシステムズの呼制御ソフトウエア「CallManager」のAPI(application programming interface)仕様を公開し,パートナー企業のシステム開発などを支援する。開発中はWebで情報提供するだけでなく,電話やメールでもサポートを行う。(2)は,開発後のアプリケーションや製品と,シスコシステムズ製品の相互運用性を検証し,両者が共同でマーケティングや顧客サポートを行う。(1)は年間25万円程度の有償サポートであるが,(2)は原則無料。

 AVVIDは,1999年9月に米シスコシステムズが提唱したアークテクチャ。IPコミュニケーション,IPビデオ会議,セキュリティとVPN(仮想閉域網)--など8種類のソリューション・カテゴリーに分かれている。欧米では既に約100社がAVVIDのサポート・プログラムを利用し,アプリケーション開発などを実施している。

 シスコシステムズは相互運用の検証用に約100億円かけて「AVVID ソリューションセンター」を東京・新宿に構築している。同社の山中理惠執行役員は,「2003年中に約30社のパートナー企業の獲得を目指し,IPテレフォニー市場におけるシェアを倍増させる」と意気込みを語った。