カリフォルニア大学バークレー校やプリンストン大学など60以上の大学と,米Intelや米Hewlett-Packard(HP)などの通信関連企業が,インターネット・アプリケーションとサービスの開発促進を目的としたコンソーシアム「PlanetLab」を立ち上げる。Intel社が米国時間6月24日に明らかにしたもの。「インターネットの機能と特徴を最大限に活用できるプラットフォームを築き,技術開発のための新たな時代を切り開く」(Intel社)としている。

 PlanetLabの参加企業と学術機関は,インターネット・アプリケーションとサービスのプロトタイプ作成および実験を行うためのテスト環境を共同で構築する。当テスト環境は,インターネットをウイルスやワームから保護する新たな手法の開発,永久的ストレージの実現,サーバーやネットワーク・プロセサの将来の設計などに役立つと期待される。

 PlanetLabのコンセプトは,世界を“覆う(overlay)”ネットワークを介して,新たなレベルのサービスやアプリケーションを世界規模で利用可能にすること。このネットワークは,データのやり取りのためにインターネットを利用するが,独自のインテリジェント・ルーターとサーバーを用いて構築する。世界各地の研究センター60カ所に170台のコンピュータを配置し,PlanetLabのネットワークと学術機関などをつなぐ。今後数年で,1000台強までコンピュータを増やす予定である。なお,最初の100台のコンピュータはIntel社が供給する。

 研究者はPlanetLabのテスト環境を利用して,実践的条件下で新たなインターネット・サービスやアプリケーションの実験を行える。実験予定のサービスとしては,大容量ビデオのマルチキャスティングなどが挙げられる。

 なお,PlanetLabのテスト環境の最初のアーキテクチャはプリンストン大学のLarry Peterson氏,ワシントン大学のTom Anderson氏,Intel社のTimothy Roscoe氏,カリフォルニア大学バークレー校のDavid Culler氏が設計した。PlanetLabに参加する企業と学術機関のリストはWWWサイトに掲載している。

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